減量とCRP値の低下の関係をみた33試験を統計的に解析した結果が出ました。
CRPとは、体に炎症があると上がる検査値で、風邪を引いて熱を出した時などにも上がります。今回の試験で言っているCRPは、もっと微妙な体の炎症反応を測るものです。主に、血管で起こっている炎症反応を診るために使れます。血管が炎症を起こすと言うことは、血管が酸化(錆びつく)ということになりますので、動脈硬化の指標など広くに使われています。
33試験には、ライフスタイルの改善(食事制限や運動などのことでしょう)の他に、5つの外科的療法が含まれています。
結果は、1kgの減量でCRPは0.13mg/Lの低下でした。
健康成人の基準値は0.4mg/Lとされていますから、かなりの改善になっています。
最大の効果は、35-45kgの減量で5-10mg/LのCRP低下が見られました。
そのCRP低下効果は、方法を問わないこともわかりました。減量だろうが、胃のバイパス術だろうが減量できれば効果に差は無いと言うことです。脂肪吸引術に関しては、症例数が少なかったため、解析に入れていませんが、同等の効果がありそうだとのことです。
減量できなかった運動療法では、CRP値は下がらなかったという小規模な試験結果もあり、運動をしているから太っていても大丈夫ともいえないようです。
Arch Intern Med. 2007;167:31-39.
2007年5月1日火曜日
どんな方法でも減量は抗酸化作用がある。
2007年3月17日土曜日
ダイエット手術で、ウェルニッケ脳症になる?
アメリカで盛んに行われているダイエット目的の胃のバイパス術で、ウェルニッケ脳症という病気になる危険性が高まる可能性があること発表されました。
ウェルニッケ脳症とは、ビタミンB1の欠乏によって起こる病気です。外眼筋麻痺(いわゆる斜視)・運動失調・意識障害と言った症状を起こします。慢性期には、物忘れが激しくなります。
その発症原因については、まだ分かっていませんが、手術をすることで、ビタミンB1欠乏だけでなく、その他のまだ未確定のビタミン欠乏や脳への炎症性損傷などが考えられています。
この研究は、今まで発表されている研究論文を、統計的に解析してレビューしたものです。
胃バイパス術の他、垂直遮断胃形成術、選択的胃分離術、胃縫縮術の術後にも報告があります。
手術後、1-3ヶ月間、嘔吐が続いている若い女性に報告が多く、手術後になんらかの神経症状が見られる患者に対してウェルニッケ脳症の疑いを持つ必要があるとされています。
Neurology 2007; 68:807-811
2007年3月12日月曜日
葉酸を多量に取ると認知症予防になる。
認知症のない65歳以上の965人に対してのどのような食品を食べていたのかを6.1年追跡調査した結果が発表されました。
追跡調査期間中に認知症が発症した192人と発症しかかった人の葉酸、ビタミンB6、B12の推定摂取量を算出したところ、葉酸を最も多量に取っていた人たちの認知症の発症リスクは、統計学的に有意に低かったとされています(P=0.02)。ビタミンB6、B12については、認知症発症との関連は見られませんでした。
葉酸については動脈硬化を抑えるという報告もあります。
Arch Neurol. 2007;64:86-92
長寿遺伝子でボケ予防
長寿遺伝子というものがあるそうです。
90歳以上の高齢者の遺伝子を解析することで、長寿の人が持つ遺伝子変異を探して、これを長寿に関連する遺伝子としています。
この遺伝子変異は、記憶の維持や、新しいことを覚える能力の維持に役立っているという結果が出ました。
この変異遺伝子は、コレステロールのサイズを大きくする作用があるそうです。
コレステロールは、サイズが小さいほど、心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性が高くなります。認知症などとコレステロールの関係については、一般にスタチン系と呼ばれるLDLコレステロールを下げる薬を使用すると認知症になる危険性が低くなると言う報告もあります。
Neurology,2006;67:2170-2175
カロリーを制限が免疫系の老化を遅らせる。
アカゲザル42匹を、カロリー制限食群と、通常食群に分けて観察したところ、カロリー制限食群は免疫系の老化を遅らせることが分かりました。
この試験での免疫系は、体内のT細胞の数で比較しています。T細胞とは体内にある異物(病原菌やウイルス、がん細胞など)を攻撃して、体を健康に保つ役割を持っています。
T細胞は、年齢を重ねると自然に減少して、免疫力は落ちてきます。
この試験で、カロリー制限をしたサルは、通常の食事をしたサルよりもT細胞数が長期間にわたって高く保たれてました。
つまり、カロリー制限をしたサルは、多くの免疫力で守られ寿命も伸びると考えらます。
PNAS,2006;103:19448-19453
カロリー制限には、脳梗塞、心筋梗塞のような動脈硬化疾患の発症も予防できるという研究も幾つかあります。
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