2007年3月17日土曜日

ダイエット手術で、ウェルニッケ脳症になる?

アメリカで盛んに行われているダイエット目的の胃のバイパス術で、ウェルニッケ脳症という病気になる危険性が高まる可能性があること発表されました。

ウェルニッケ脳症とは、ビタミンB1の欠乏によって起こる病気です。外眼筋麻痺(いわゆる斜視)・運動失調・意識障害と言った症状を起こします。慢性期には、物忘れが激しくなります。

その発症原因については、まだ分かっていませんが、手術をすることで、ビタミンB1欠乏だけでなく、その他のまだ未確定のビタミン欠乏や脳への炎症性損傷などが考えられています。
この研究は、今まで発表されている研究論文を、統計的に解析してレビューしたものです。
胃バイパス術の他、垂直遮断胃形成術、選択的胃分離術、胃縫縮術の術後にも報告があります。
手術後、1-3ヶ月間、嘔吐が続いている若い女性に報告が多く、手術後になんらかの神経症状が見られる患者に対してウェルニッケ脳症の疑いを持つ必要があるとされています。

Neurology 2007; 68:807-811

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